当たり前だが、人生は予測不能だ。
私は結構いろんなことを予測して、対策を立てる方だ。予測不可能というかどうなるかわからないことに対しては、「これは備えることができないから、その場で対処する」というラベルで予測済みと認知して精神的な安寧を得る。
現状の一人暮らし一軒家に対する精神的対応も、先日まで何の不安もなくそれで過ごしてきたのだが、すべての予測が無意味になる出来事に遭遇している。害獣だ。
数年前にネズミを経験した。その時はいい気になって家の壁に這わせようとした藤棚が原因であった。深く反省し二度と家に植物を這わせるどころか接近させることもなく、家じゅうの外と繋がる穴をふさいでもらい、安心して暮らしていたのだが。
ある夜突然聞こえた ”カリカリカリカリッ” という爪でひっかく音。反射的に背筋がゾォー。
瞬間的にその音はネズミより大きいものが発している音だと感じた。1階の居間の隅。すぐそこに何かいるのだが見えない。居間の中ではない。野良猫が外の壁を?いやいない。となると内壁と外壁の間…
ともかく足踏みをして存在をアピール。止んだ。なんだったんだ?
その翌々日。再び居間の反対の隅から同じ音。もう、なかったことにはできない!
家じゅうの電気をつけ、びくびくしながら眠る。
翌日ネズミのときの業者に連絡を取り、さっそく確認。まずは床下から。そして
「残念ながら、私は対応できません。ネズミではなくハクビシンかなにか、足跡があります!」
現在この問題は対策進行中で解決に至っていないし、結構なストーリーなので解決のめどが立ったら詳しく残すが、今自分で驚いているのは、自分の心だ。
はじめて、本当に人生で初めて一人暮らしを残念なことと認識した。
もちろん家族の誰かが害獣と対決できたり、魔法のように片付けてくれるわけではないことは重々承知である。
ただ、「きゃー」とか「やだー」とか「なんとかしてよ!」と声に出したいだけなのだ。
長年の一人暮らしでもう「キャー」は出なくなっているのであろうか?
すべて「ひっ…」に置き換わってしまっているのだ。
人によって怖いものは違いがあるよね。
私は防犯的な意味で一人暮らしは怖くはない。それが怖いという人は結構多い。
また資産の程度にも大きく差がある。私には今住んでいる家以外に資産と呼べるものはない。なにしろ定期預金もないし投資をしているわけでもない。普通預金に残された残高がすべてだ。そんなこと信じられない、という人も結構多い。
一人暮らしも、転職も、家族との同居も、家族との別れも経験してきたけれど、どの場面でもこんな不安というか先が見通せない状況になったことはなかったのだ。
今の家で、物理的な住居も心のありようも騙し騙し使い続け、プラスマイナス0で終わる人生に対する不安はなかったのだが、それが崩れてしまった。
これから先、何度かこういう目に合うのだろうかと想像すると怖い。ほんとうに怖い。
現実的にはこのままの生活を続けるしかないのだが、謙虚にと言えば聞こえはいいが実際は臆病になっていく自分が嫌だ。
この気持ちをフラットな状態に戻すまで、時間がかかりそうだ。

