私の癒し

私の癒しは雀や四十雀の鳥の声である。朝の清涼な空気の中、どこからともなく聞こえる”ピッ”とか”チュンチュン”である。それ以上大きな鳥、鳩や烏はNGである。
今までで一番気持ちの良かった朝は、だいぶ昔に行ったバリ島ウブドゥ(ウブドと表示されることが多いが私の中ではウブドゥ)の宮殿ホテルでの朝。部屋の前にあるテラスでお茶を飲みながら一服していると、鳥のさえずりの向こうから猿の鳴き声。あぁウブドゥ。今でもその心地よさを思い出せるのだ。
ところで、その時泊まったホテルはウブドゥの街の真ん中、市場の向かいの王宮のところ。ウン十年昔プリ・サレン・アグンは宿泊できました。庭に点在するコテージのようなベッドがある部屋。その部屋の前が部屋に匹敵する広さのテラスでソファセットが置かれ、隅には各部屋の守り神的なハニワのような愛嬌のある簡素な神像。毎朝早朝、テラスのソファに置かれる温かい紅茶とともに、簡素な神像の耳にひっかけられる一輪の花が新しいものに変えられる。一度だけお茶を届けてくれたおじいちゃんと遭遇したことがある。目と目を合わせて微笑みあっただけで「おはよう」も言わないのだが、思い出しただけでゆったりにっこりできる。
バリ島へは何度か行ったので、ビーチリゾートにもさらに奥の棚田のホテルにも滞在したことはあるのだが、プリ・サレン・アグンには何か違う空気が流れていた気がすると思うのは、別れた男がよく見えるのと同じ心理か?今ではすっかり観光の中心地で、考えられないというかたとえ宿泊できると言われてもお断りするところだが、マジであの頃は観光客が本当に少なかったのだが、Googleストリートビューを見る限りじゃ信じられないな(笑)

そんなわけで、窓を開けて鳥の声を聴き猫の額ほどの庭の緑を眺めながらお茶をすすると、脳内妄想によりウブドゥの朝になる。「これで遠くで猿が鳴いたら完璧」と毎回思う。私のとっておきの癒しである。